西宮市山陽新幹線記念公園が関西屈指の新幹線撮影ポイントとして絶大な人気を誇る最大の理由は、その立地にあります。山陽新幹線(新大阪〜岡山間)が1972年(昭和47年)3月に開業した際、最大の難所とされたのが六甲山系を貫く「六甲トンネル(16,250m)」でした。断層破砕帯と大量の湧水に阻まれ、当時の土木技術の粋を集めて完成させた歴史的構造物です。
この記念公園は、過酷な難工事を完遂した技術者や殉難者を顕彰し、後世にその偉業を伝えるために坑口直上に整備されました。園内には重厚な殉難者慰霊碑が建立されており、単なる見晴らしの良い展望地にとどまらず、日本の高速鉄道網を切り拓いた歴史の証言者としての役割を担っています。
展望スペースの足元からは、時速200km以上で突入・進出してくるN700S系やN700A系、さらには独特のエキゾチックなフォルムで根強いファンを持つ500系や700系「レールスター」が次々と現れます。六甲トンネル西宮展望の代名詞とも言えるこのロケーションは、トンネル坑口と車両のノーズ部が織りなす直線美を最短距離で切り取れる貴重な場所です。