痛みを伴う初期段階において、絶対にやってはならない最大の禁忌が「指や爪、面皰圧出器を使って無理に押し潰すこと」です。これには単なる皮膚表面の擦れにとどまらない、解剖学的なニキビ 潰す NG 理由が存在します。
表面に白い膿の出口(コメドの開口部)が完成していない状態で外から強い圧力を加えると、毛包壁は圧力に耐えきれず、皮膚の奥深く、すなわち真皮層の中で破裂します。破裂した毛包から漏れ出した皮脂、角質、アクネ菌の死骸は、無菌状態であるべき真皮組織内に一気に拡散。これに反応した免疫細胞が周囲の膠原線維(コラーゲン)や弾力線維(エラスチン)までも激しく貪食・破壊し尽くします。
この深部組織の融解が、治癒後に陥没となって残る「アイスピック型」や「ローリング型」と呼ばれる不可逆的なクレーター肌(萎縮性瘢痕)の直接原因です。また、傷を修復しようとする線維芽細胞が過剰に増殖すれば、硬いしこりとして盛り上がる「肥厚性瘢痕」へと移行します。一度破壊された真皮の網目構造は、どれほど高価な美容医療を用いても完全な元の状態に戻すことは困難です。「芯が出れば治る」という思い込みは、一生消えない傷跡を引き換える極めてリスクの高い博打であることを肝に銘じる必要があります。