呼吸困難に陥った生体は、通常の安静呼吸では足りない換気量を補うため、首や胸の筋肉を総動員して息を吸おうとします。これらを総称して努力呼吸の種類と呼びますが、進行度によって現れる症状が異なります。
代表例が、鎖骨の上や肋骨の間、みぞおちが呼吸のたびにペコペコと窪む「陥没呼吸」です。陥没呼吸との違いとして、陥没呼吸は気道の狭窄に対して胸郭を必死に広げようとしている代償段階であるのに対し、シーソー呼吸は胸郭の支持性が負圧に耐えきれず完全に破綻した最重症段階を指します。その他にも、鼻の穴がピクピク広がる「鼻翼呼吸(びよくこきゅう)」、息を吐くたびに「ウー」「ウッ」と苦しそうに唸る「呻吟(しんぎん)」、下顎をしゃくりあげるように息をする「下顎呼吸」などがあり、いずれも命に関わる重大なサインです。