親からの過剰な介入や条件付きの愛情のもとで育った子供は、成長の過程で自己決定感や安心感を損なっていく。精神科医の岡田尊司氏は、幼少期の不適切な養育環境が与える愛着障害のリスクについて長年警鐘を鳴らしてきた。心理的な安全基地を持たずに育った子どもは、大人になってからも他者との信頼関係を築くことに強い不安を感じやすくなる。
また、一見すると不自由なく暮らしているように見えても、感情の開示が許されない機能不全家族の環境下では、子供は親の期待に応えようと「過適応」の役割を演じ続ける。その結果、「本来の自分には価値がない」という感覚が根深く残り、鬱屈した生きづらさや対人緊張となって表面化する。