そもそも、なぜ私たちは10等分にこれほど苦戦するのだろうか。答えは単純な幾何学にある。円は360度。10で割れば1片あたり「36度」だ。しかし、人間の目は直角(90度)やその半分の45度を識別するのは得意だが、36度という中庸な角度を正確に見極めるのは苦手な構造になっている。
さらに、生クリームの凹凸やトッピングのイチゴが視覚的なノイズとなり、脳の距離感を狂わせる。直感だけに頼って包丁を入れると、無意識のうちに最初の数片を大きく切りすぎてしまい、後半にしわ寄せがいく。これが「最後の1切れが激細になる現象」の正体だ。