問題は一時的な視野欠損にとどまらない。暗い部屋では、人間の瞳孔は少しでも光を取り込もうと大きく開く。その無防備な眼球に向けて、スマートフォンの高エネルギー可視光線が直接突き刺さるのだ。
網膜の中心部にある「黄斑部」は、物の詳細や色を識別する最も重要な部位だ。開口した瞳孔から強い光が集中して注ぎ込まれると、網膜色素上皮細胞に酸化ストレスが急速に蓄積する。これが長期化すれば細胞が死滅し、視界の中心が歪んだり欠損したりする「加齢黄斑変性」に酷似した症状を引き起こす恐れがある。2026年、若年層における黄斑変性の発症率上昇が問題視されている背景には、この「暗闇スマホ」の習慣化があると指摘する専門家も多い。