単なる数日間の観光渡航と、数か月から数年におよぶ生活を前提とした滞在では、直面する治安リスクの質が根本から変化します。近年、セミリタイアやリモートワークの拠点として話題を集める地域について、海外移住おすすめ治安比較の観点から盲点を検証しました。
マレーシア(クアラルンプールやペナン)やタイ(バンコク、チェンマイ)は、東南アジアの中では比較的政情が安定し、物価の安さから移住先として高い支持を得ています。しかし現地警察の統計を詳細に分析すると、日本人移住者が最も巻き込まれやすいのは、バイクによるひったくり、コンドミニアムへの空き巣、そして日常的な交通事故です。特に東南アジア諸国では歩行者の権利意識が日本ほど高くなく、交通死亡事故の発生率は先進国の数倍に達する国も珍しくありません。「銃犯罪がない=安全」と早合点してしまうと、重大な落とし穴に嵌まることになります。
また、欧州移住で人気のポルトガルやスペインでは、深刻なインフレと住宅供給不足に伴い、一部地域で不法占拠や車上荒らしが社会問題化しています。ネット上の「治安が良くて天国のような移住先」という甘い言説の裏には、現地言語を理解できない外国人を狙った賃貸詐欺や、病院・行政窓口での盗難といった「生活者特有の防犯リスク」が潜んでいる事実を直視しなければなりません。