文部科学省が約50年ぶりに新設した高等教育機関の枠組み、それが専門職大学だ。既存の一般大学が学術的な理論の探求に軸足を置くのに対し、ここは徹底した「職業直結の学修」を義務づけられている。専攻科目の3割以上を企業現場での実習に充て、教員の4割以上を実務家で固める。制度設計そのものが、これまでの大学教育の常識を覆すものだ。
初代学長である吉川弘之氏(元東京大学総長)が掲げた「社会のための科学技術」という理念は、今もカリキュラムの隅々に息づく。単に道具としてのプログラミングを教えるのではない。情報通信産業の最前線で何がボトルネックになっているのかを自ら見極め、技術をもって突破する思考力を養う。理論と実践の往復運動こそが、既存の理系大学との決定的な分水嶺となっている。