トム・ブラウンというコンビの魅力を語る上で、二人の特殊な関係性は外せない。一見すると、狂暴なみちおを布川が制圧しているように見える。だが実際の構図は逆だ。布川という絶対的な受け皿と理解者がいるからこそ、みちおは舞台上で心置きなく暴れ回ることができる。
ケイダッシュステージのライブ現場において、布川は若手芸人たちの兄貴分としても信望が厚い。後輩のネタに細かく目を通し、アドバイスを送る姿は熱血指導者そのものだ。自身のコンビが売れた後もライブハウスの熱量を忘れず、事務所全体のレベル底上げに尽力している。
「みちおの面白さを世の中に分からせたい」。その一心で走り続けてきた彼の言葉には、揺るぎない相方への信頼がある。互いの狂気を認め合い、高め合う二人の絆は、お笑い界の中でも異彩を放つ美しい関係性と言えるだろう。