大豆が単なる植物の枠組みを超えて「肉」と呼ばれる最大の理由は、その圧倒的なタンパク質含有量と質の高さにあります。文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、乾燥大豆100gあたりのタンパク質含有量は約33.8g〜35.3gに達します。これは一般的な牛サーロイン肉(約17g)や鶏むね肉(約23g〜24g)の生肉状態と比較しても、重量比で大きく上回る数値です。
特筆すべきは、タンパク質の「質」を評価する指標であるアミノ酸スコアが満点の「100」である点です。かつて植物性タンパク質は、必須アミノ酸の一部(特にメチオニンなど)が不足しているとみなされていましたが、1985年のWHO/FAO/UNU合同専門委員会による評価基準改定以降、大豆タンパク質は牛乳や卵、牛肉と同等に、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸をバランスよく完璧に満たしていることが公式に認められています。
動物性タンパク質と比較した際の大豆の決定的な強みは、コレステロールがゼロであり、脂質の大部分が不飽和脂肪酸(リノール酸やα-リノレン酸)で構成されている点です。血管内皮を傷つける飽和脂肪酸の過剰摂取を避けながら、筋組織の修復に必要なBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)を確実に摂取できる点こそ、植物性タンパク質の頂点に君臨する理由です。