親となった経験は、福山雅治というアーティストの表現力にも確かな深みをもたらした。若い頃のラヴソングや男の生き様を歌うスタイルから、近年ではいのちの繋がりや家族の絆、世代を超えた愛をテーマにした楽曲が増加している。50代を迎え、ライブのMCで見せる穏やかな表情にも、父親としての穏やかさがにじみ出る。
役者としての幅も確実に広がった。重厚な人間ドラマや、複雑な葛藤を抱える父親役、命の現場と向き合う医療従事者役など、画面越しに漂うリアリティは彼自身の生活実感が底通しているからだろう。私生活を隠すことは、ミステリアスなスター性を保つだけでなく、役柄に対する視聴者の没入感を損なわないためのプロフェッショナリズムでもある。