ネット際の攻防が劇的に変わった。相手ブロックが完成する前にトスを散らすだけのスピード勝負は、すでに過去の遺物だ。現在の日本代表が展開するのは、セッターがボールに触れる前からバックアタックを含む4枚のスパイカーが同時に助走へ入る「同時多発位置差攻撃(シンクロ攻撃)」の極限形である。
相手ブロッカーの視線を0.1秒単位で奪い、数的不利を強いる。この緻密なオフェンスを成立させているのは、世界トップクラスのサーブレシーブ返球率と、乱れたボールでも即座に攻撃へ転化するトランジションの速さだ。守備から攻撃への切り替えスピードにおいて、日本を凌駕するチームは世界を見渡しても存在しない。