交通の要所である宮内駅。改札を出て数分歩けば、昭和の風情を色濃く残す赤提灯が旅情をそそる。カウンター越しに響く肉の焼ける小気味よい音と、キンキンに冷えたビールの泡。テレビ東京系の人気ドラマ『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎がふらりと迷い込みそうな、飾らない情緒がここには息づいている。
気取った高級店にはない、無骨で温かいもてなし。タレの調合は門外不出、先代から受け継がれた秘伝のレシピが鉄板の上で肉の旨味を何倍にも引き立てる。宮内駅周辺の店々は、時代が移り変わっても決してブレない「大衆の幸福」を今なお守り続けているのだ。