名作『北の国から』『優しい時間』に続き、脚本家・倉本聰が打ち出した「富良野三部作」の完結編。それが『風のガーデン』であった。倉本が本作で貫いたのは、「死」を不吉なものや悲劇としてのみ描くのではなく、生の一部として静かに受け入れるという独自の美学である。
自らの終焉を悟った主人公が、過去の過ちに向き合い、絶縁していた家族のもとへ戻る軌跡。そこには、効率やスピードばかりを追求する現代文明に対する倉本聰の静かな抗議と、自然の循環のなかで生きる人間への無償の愛が込められている。花の一生と人間の生き様を重ね合わせる繊細な台詞回しは、今読んでも色褪せることなく胸に響く。