視聴者の間でも最も激しい議論が戦わされたのが、復讐の指南役である「仮面」の正体だ。単なる正義の味方でも、都合の良い第三者でもない。物語が進むにつれ、仮面からの指示には美咲自身の安全すら脅かしかねない危険な罠が紛れ込んでいることが明かされる。仮面を裏で操っていた人物の動機は、純粋な同情ではなく、透に対する個人的な怨恨と美咲を利用した代理復讐だった。
柳俊太郎が演じる透の崩壊していく演技は見事と言うほかなく、追い詰められるにつれて見せる焦燥と逆上、そして最後の破滅へと向かう哀れな姿は、観る者に強い恐怖と哀愁を感じさせた。一方の高梨臨が見せる表情のグラデーション――悲劇の母親から冷徹な復讐者へ、そして結末で見せる複雑な人間性の揺らぎ――は、単なるテレビドラマの枠を超えた深みをもたらしている。