1991年秋、病魔は突如として昭和の大歌手を襲った。公式に発表された死因は急性心不全。前日まで元気な姿を見せていた矢先の出来事であり、関係者やファンにとってあまりにも予想外の悲報となった。病状が急速に悪化した背景には、長年にわたる過密なスケジュールと、歌に命を削るストイックな姿勢があったとされる。
病院へ緊急搬送されたものの、手当ての甲斐なく息を引き取った春日八郎。最期を看取った親族や関係者の証言によれば、倒れる直前まで自らの声量を維持するための発声練習を欠かさなかったという。64年間の生涯を疾風怒濤のごとく駆け抜けた男の、あまりに早すぎる旅立ちであった。