コート上で異様な威圧感を放つ角名倫太郎。彼の最大の武器は、柔軟すぎる上半身をフルに使ったクロススパイクと、相手ブロックをギリギリまで引きつけてコースを変える「体幹」にある。派手な必殺技というよりも、観察眼と体の使い方の巧みさで相手を詰んでいくスタイルだ。この癖のあるキャラクターを演じるにあたり、島崎信長が見せたアプローチはきわめて精緻だった。
セリフの端々に漂う関西弁のニュアンス、気怠げでありながら研ぎ澄まされた集中力。感情を爆発させるタイプではないからこそ、音域のわずかな高低や息遣いひとつで心理描写を表現する必要があった。熱血がほとばしる周囲のプレイヤーたちと対比されることで、角名の不気味なほどの冷静さが際立つ。声優としての力量が試される難役において、島崎のコントロールされた発声は見事にキャラクターの立体感を引き出した。