住宅に関する個人の体験談を「俺の家の話」として発信する文化は、2020年代初頭から加速的に広がった。背景にあるのは、住宅価格の高騰と情報の非対称性だ。国土交通省が2025年末に公表した「住宅市場動向調査」によると、首都圏の新築注文住宅の平均取得費用は土地代込みで約6,800万円に達し、2019年比で約22%上昇している。これだけの金額を動かす判断を、多くの人が「生まれて初めて」経験する。だからこそ、先行者の体験談に価値が生まれる。
X(旧Twitter)では「#俺の家」「#マイホーム後悔」「#間取り失敗」といったハッシュタグが定期的にトレンド入りし、一つの投稿が数十万インプレッションを記録するケースも珍しくなくなった。5chの「注文住宅スレ」や「一戸建て購入体験談」板では、毎日数百件の書き込みが積み上げられており、「あのハウスメーカーは営業が嘘をついた」「工期が3ヶ月延びた」「完成後に欠陥が見つかった」などのリアルな声が飛び交っている。これらの情報はフィルタリングなしに広がるため、正確な検証なしに鵜呑みにすると逆に危険だ。本記事では、そのノイズを整理する。