説得力のある翼を描くための第一歩は、解剖学の知見を取り入れることだ。鳥の翼は、人間でいう「腕」の骨格と驚くほど共通点が多い。上腕骨、前腕骨、そして手根骨に相当する部位から、それぞれ役割の異なる羽が生えている。
羽は大きく分けて風切羽(初列・次列・三列)と雨覆(あまおおい)の層で構成される。天使や悪魔の翼を描く場合でも、この実在する鳥類の構造をベースにすることで、架空の存在であっても「本当に空を飛べそう」と思わせる現実的なリアリティが生まれるのだ。闇雲に羽を敷き詰めるのではなく、関節の可動域と羽の重なり順を意識することが、破綻のないデッサンへの近道となる。