長年親しまれた明治神宮バッティングドームが閉鎖された最大の理由は、施設の採算悪化や集客低下ではなく、神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の本格始動に伴う敷地全体の再編です。事業主体の公式発表資料によると、外苑エリア全体のスポーツ施設老朽化対策と、緑豊かな都市空間の再創出を目的とした事業計画に基づき、ゴルフ練習場やテニスクラブなどと足並みを揃える形で2026年12月31日をもって営業終了となりました。
この施設が果たしてきた明治神宮バッティングドームの歴史は、日本の都市型スポーツエンターテインメントにおいて極めて先進的なものでした。1990年代に全天候型ドームとして誕生して以来、天候に左右されずにバッティングを楽しめる空間を提供し続けました。とりわけ最大の特徴だったのが、大型スクリーンに投影される神宮バッティングドームのプロ野球バーチャル映像です。スワローズの歴代エースやセ・パ両リーグのスター投手の投球フォームと完全連動するシステムは、球児のみならず野球ファンの心を掴んで離しませんでした。
神宮球場でプロ野球を観戦する前後に立ち寄り、お気に入りの投手と対戦してからスタンドへ向かうというルーティンを楽しんでいたファンも多く、単なる運動施設を超えた「野球文化の発信拠点」としての役割を担っていました。