結論から言えば、アンチノール自体が直接的に肝毒性を発揮し、健康な犬の肝臓を破壊するという科学的根拠は存在しない。日本獣医師会(Japan Veterinary Medical Association)に所属する臨床獣医師(Veterinarian)らへの取材でも、本品が直接の原因となって急性の肝不全を引き起こしたとする明確な症例報告は確認されなかった。
では、なぜこのような噂が根強く囁かれるのか。最大の要因は、アンチノールを使い始める犬の年齢層にある。本製品は主に加齢に伴う関節の痛みや歩行の違和感を和らげる目的で処方されるケースが多い。シニア期に入った犬は、サプリメントの摂取有無にかかわらず、潜在的に犬の肝機能障害(Canine Hepatic Dysfunction)やその他の持病を抱えやすくなる。投薬開始と同時期に加齢性の数値変動が重なり、「サプリを与えたせいではないか」と結びつけられてしまうのが真相だ。