今日の躍進は、80年代に荒野を切り拓いた先人たちの功績なくして語れません。日本のヘヴィメタル史におけるマイルストーンを振り返ると、常に世界水準を意識した挑戦の軌跡が浮かび上がります。
その筆頭がLOUDNESSです。1985年にリリースされたアルバム『THUNDER IN THE EAST』は、米ビルボードチャートで日本人バンド初となる74位を記録しました。故・樋口宗孝の重厚なドラミングと高崎晃の神がかり的なタッピング奏法、そしてマイク・ヴェセーラを迎えた時期を含む果敢な海外挑戦は、現在も世界中のギタリストからリスペクトを集めています。当時の海外メディアインタビューにおいて高崎晃は「言葉が通じなくても、リフ一発で観客の目を丸くさせることができた」と回顧しており、その音の説得力は現代のリスナーにも色褪せることなく響いています。
また、アンダーグラウンドから世界に衝撃を与えた日本のスラッシュメタル名曲の数々も見逃せません。OUTRAGEの骨太なグルーヴ、DOOMのフレットレスベースを駆使したアヴァンギャルドなリフワーク、UNITEDの鋭利な突進力は、スラッシュメタルの世界的再評価の波に乗って再び熱い視線を浴びています。
メロディックスピードメタルの領域では、GALNERYUSが金字塔を打ち立てました。超人ギタリストSyuの構築するネオクラシカルな劇的旋律と、小野正利の圧倒的なハイトーンボーカルが生み出すシンフォニックな世界は、欧州のパワーメタルファンからも「最高峰の構築美」と絶賛されています。『DESTINY』をはじめとする名曲群は、後進のプレイヤーたちに計り知れない影響を与え続けています。