大根おろしを作る際、「どの部位を使うか」は食べる料理や個人の好みによって正解が分かれます。
しらすおろし、和風ハンバーグ、焼き魚に添えるさっぱりとしたタレとして使うなら、葉元から中央部が適しています。辛味が穏やかでみずみずしく、食材の風味を邪魔しません。
一方で、脂の乗ったサンマの塩焼き、冷たい蕎麦の薬味、天ぷらの油を切りたいときには、先端部分が真価を発揮します。鮮烈な辛味が脂っぽさを一瞬で洗い流し、爽快な後味をもたらしてくれます。
さらに重要なのが、すりおろし方による科学的変化です。大根おろしの辛さは「細胞の壊れ方」でコントロールできます。
【甘くマイルドに仕上げたい場合】
おろし器に対して大根を垂直に当て、円を描くように優しくゆっくりすりおろします。目の細かい陶器製のおろし器を使うと、細胞膜の破壊が最小限に抑えられ、酵素反応が起きにくくなるため、驚くほどマイルドな仕上がりになります。
【辛くシャープに仕上げたい場合】
金属性や目の粗いおろし器を使い、直線的に力を込めて素早く往復させます。細胞を徹底的に破砕することでミロシナーゼが大量に活性化し、ピリリと刺激的な辛味を引き出せます。