嫌がらせやストーカー被害、金銭トラブルなど、実際に被害が生じている場合に非通知相手を割り出すための現実的なアプローチは以下の3ルートに限られます。
第1のルートは、通話明細開示請求と弁護士による法的アプローチです。弁護士法第23条の2に基づく「弁護士会照会(23条照会)」や、裁判所を通じた証拠保全手続きを活用します。ただし、通信キャリアは「通信の秘密」を盾に任意照会を拒絶する傾向が強いため、民事訴訟の提起や発信者情報開示命令事件の申立てを行い、裁判所の正式な開示命令を取り付けるのが確実な流れです。これには着信履歴の記録や被害メモなどの証拠保全が前提となります。
第2のルートは、警察相談専用電話#9110および所轄警察署の生活安全課への相談です。ストーカー規制法違反、脅迫罪、名誉毀損、威力業務妨害などの犯罪要件を満たしている場合、警察が被害届を受理し、捜査関係事項照会書を用いてキャリアへログ開示を求めます。単なる間違い電話や数回の着信では事件化が難しいケースもありますが、執拗な着信が続いている場合は着信履歴のスクリーンショットを時系列で整理して持参することで、警察の初動対応を迅速化できます。
第3のルートとして昭和・平成の刑事ドラマで頻出する「逆探知」がありますが、現代の逆探知方法と成立条件は大きく変化しています。物理的な回線追尾ではなく、キャリアの交換機ログの電磁的照会が主軸です。警察が通信傍受法や刑事訴訟法に基づき令状を取得した重大事件(誘拐や身代金目的、連続爆破予告等)に限定されており、一般の迷惑電話に対してリアルタイムで逆探知が発動されることはありません。