前腕のしびれは手根管じゃない?円回内筋の正体と鑑別の決定打

前腕のしびれは手根管じゃない?円回内筋の正体と鑑別の決定打

前腕のしびれは手根管じゃない?円回内筋の正体と鑑別の決定打について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

臨床現場の理学療法士や整形外科医への取材を進めると、円回内筋の機能不全を訴える患者の背景には、大きく分けて「現代特有のオフィスワーク」と「投球・スイング動作」という2つの極端な生活環境が存在することが浮き彫りになります。

まず圧倒的に多いのが、PCキーボードとマウスに1日8時間以上縛り付けられているデスクワーカーです。本来、人間の前腕はリラックスした状態では親指が上を向く中間位(ニュートラルポジション)を取ります。しかし、キーボードや一般的なフラットマウスを操作する際、腕は常に内側へ90度ひねられた「回内位」に固定されます。この姿勢が何年間も続くと、円回内筋は短縮した状態で硬直(拘縮)し、筋膜の滑走性が失われて神経を圧迫し続ける結果となります。

一方、アスリートの現場で深刻視されているのが、肘内側の痛みや野球肘との密接な関連性です。投球動作のコッキング後期から加速期、そしてボールをリリースした直後のフォロースルーにかけて、肘の内側には凄まじい「外反ストレス(外側に引っ張られる力)」と急速な回内負荷がかかります。この時、内側側副靭帯(UCL)とともに肘関節を守るブレーキとして過剰に働くのが円回内筋です。

高校球児や社会人投手の現場では、内側上顆炎(ゴルフ肘・野球肘)と診断されていた選手の患部を超音波エコーで詳細に確認したところ、円回内筋の起始部腱に微細断裂や慢性炎症、あるいは神経周囲の浮腫が確認される事例が頻発しています。痛みの本質が単なる靭帯の炎症ではなく、筋緊張による神経絞扼を合併しているケースが少なくないのです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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