しこり以外の全身症状にも目を向ける必要があります。悪性リンパ腫には、医学的に「B症状(全身症状)」と呼ばれる重要な予兆サインが存在します。もし首や脇のしこりに加えて以下の兆候が見られる場合は、躊躇なく医療機関を受診してください。
- 原因不明の発熱:感染症の明らかな所見がないにもかかわらず、38度以上の発熱を繰り返す。
- 大量の寝汗(盗汗):パジャマやシーツを取り替えなければならないほどの、ぐっしょりとした異常な発汗が夜間に続く。
- 急激な体重減少:意図的なダイエットをしていないのに、半年間で体重が10%以上減少した。
- 全身の皮膚のかゆみや倦怠感:アレルギーや発疹がないのに、耐えがたいかゆみや鉛のように重い疲労感が続く。
受診先として最も適切なのは、首のしこりであれば「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」、脇の下や鼠径部、あるいは全身症状を伴う場合は「血液内科」または総合診療科です。耳鼻咽喉科は頸部リンパ節の超音波検査や触診のスペシャリストであり、ファイバースコープを用いて咽頭や喉頭のがん転移でないかも同時に鑑別できます。
検査の流れとして、まず行われるのが血液検査です。しばしば「血液のがんなのだから血液検査ですぐに白黒つくのだろう」と思われがちですが、初期の悪性リンパ腫では一般的な白血球数や赤血球数が正常範囲に留まることも珍しくありません。血液検査において専門医が着目するのは、腫瘍マーカー的な役割を果たす「可溶性IL-2レセプター(sIL-2R)」や、細胞の破壊と代謝回転を反映する「LDH(乳酸脱水素酵素)」の値です。これらの数値が異常高値を示した場合、リンパ球の悪性増殖が強く疑われます。
最終的な確定診断には、しこりの一部または全体を手術で摘出して顕微鏡下で観察する「リンパ節生検(組織生検)」が不可欠です。病理医が細胞の形態を精査し、免疫染色や遺伝子検査、フローサイトメトリーを行うことで、100種類以上にも細分化される悪性リンパ腫の病型(ホジキンリンパ腫か、非ホジキンリンパ腫のDLBCLや濾胞性リンパ腫かなど)をミリ単位で特定します。