アニメファンの間で長年議論されてきたテーマが、「ヤンデレ」と「メンヘラ」の違いです。どちらも常軌を逸した執着や狂気を見せる点では共通していますが、その根底にある精神力学と行動のベクトルは明確に対極を成しています。
ヤンデレの行動原理は、徹底した「他者中心(外向きのベクトル)」です。「愛する相手のためなら世界を敵に回しても構わない」「邪魔する存在はすべて排除する」という狂信的な献身が行動の原動力となります。これに対し、メンヘラの根底にあるのは「自己中心(内向きのベクトル)」と「自己承認欲求の渇望」です。「自分が愛されていないと耐えられない」「見捨てられるくらいなら自分を壊す」という自己保存と自己否定の葛藤がベースに存在します。
作中での心理描写においても、ヤンデレが無自覚かつ揺るぎない確信犯として描かれるのに対し、メンヘラキャラは自身の弱さや醜さに激しく苦悩し、情緒不安定に苛まれる姿が丹念に描写されます。この「壊れそうな人間らしさ」こそが、視聴者の庇護欲や共感を刺激する最大のファクターとなっています。