SNSやファンコミュニティの投稿を検証すると、センター席に対する感情は両極端に分かれています。その理由は、フロアに一切の傾斜(段差)が存在しないという物理的構造に起因します。
横浜アリーナセンター席最前列やAブロック前方列を射止めたファンの手記には、「アーティストの息遣いや足音までダイレクトに響いてきた」「目の前で目が合って気絶しそうになった」といった至高の賛辞が並びます。特に花道が敷設された公演における「花道神席ブロック」(通常Aブロック中央寄り、またはBブロックの花道沿い)は、物理的な近さと遮蔽物のなさから、ドームクラスの最前列を遥かに凌駕する圧倒的没入感を提供します。
しかし、そのコインの裏面として存在するのが横浜アリーナセンター席埋もれ評判です。フロアの中央から後方にあたるCブロックやDブロック、あるいは各ブロックの列番15番以降に配置された観客からは、悲痛な体験談が寄せられます。「前の席に体格の良い男性が立たれた瞬間、メインステージの中央が丸ごと視界から消えた」「2時間半の公演中、ほとんどの時間を巨大スクリーンのモニターを見上げて過ごすことになり、首が痛くなった」という声は決して誇張ではありません。
公演主催者側もこの視界格差を埋めるため、2026年のステージ演出では花道先端にサブステージを設けるだけでなく、フロア通路をメンバーが台車(トロッコ)で移動するバックステージ動線を積極的に導入しています。しかし、メインステージ定位置での演奏や緻密なダンスナンバーにおいては、センター席後方の「埋もれ現象」を完全に回避することは物理的に不可能です。センター席のチケットを手にしたからといって手放しで喜ぶのではなく、ブロック位置を冷静に確認した上で、双眼鏡や適切なフットウェアの準備を進める必要があります。