SNSで話題の「風の様子が変なのだ」とは一体なぜ使われるのか。その元ネタとなった作品や発祥の経緯を調査すると、意外な事実が浮き彫りになります。結論から述べれば、このセリフがそのまま登場する公式の原作アニメや漫画は一切存在しません。これは、スタジオジブリの名作『風の谷のナウシカ』の世界観と、愛嬌あるマスコットキャラクターの語尾文化がネット上で混ざり合って誕生した「ハイブリッド型の創作ミーム」です。
文章の前半部分である「風の様子が変(おかしい)」という緊迫した状況描写は、宮崎駿監督の映画『風の谷のナウシカ』に登場する数々の名セリフ群がルーツとなっています。劇中では、城ババ(大ババ)やナウシカ、風使いのジルたちが「風がおかしい」「風がやんだ」「風が怒りに満ちておる」といった言葉で天変地異や王蟲(オーム)の暴走を予見するシーンが象徴的に描かれます。荒廃した終末世界で風の気配を敏感に察知するナウシカ的なシリアスな語り口が、まず人々の脳裏に強い原風景として刻まれていました。
一方で、語尾の「〜なのだ」という特徴的な口調は、アニメ『けものフレンズ』に登場するキャラクター「アライグマ(アライさん)」、あるいは人気合成音声キャラクターの「ずんだもん」、さらには国民的人気アニメ『とっとこハム太郎』の「ハム太郎」の口癖が下敷きになっています。つまり、「ナウシカばりの不穏な気象予知」を「マスコットキャラクターの無邪気な口調」で発声させるという絶妙なズレとギャップこそが、この言葉の持つ本質的な面白さです。