本作の骨子を理解する上で外せないのが、張り巡らされた因縁と血縁の糸です。たった一人の私の味方 あらすじは、妻の重い病気の治療費を工面しようと奔走した青年キム・ヨンフン(のちのカン・スイル)が、貸金業者との揉み合いの末に予期せぬ事故で人を死に至らしめ、無期懲役の刑に処される痛恨の悲劇から幕を開けます。
ヨンフンは愛娘のキム・ドランの将来を案じ、義兄弟の契りを交わしていた心優しい友人キム・ドンチョルに我が子を託します。ドンチョルは自らの実子としてドランを慈しみますが、その妻ソ・ヤンジャは血の繋がらないドランを徹底的に冷遇。成長したドランは過酷な家庭環境に耐え抜いて法科大学院を目指すものの、育ての父ドンチョルの事故死をきっかけに家を追い出され、孤立無援の境遇へと突き落とされます。
一方、模範囚として28年ぶりに出所したヨンフンは、過去を消し去るために「カン・スイル」と名を変え、大手食品企業ボム&サムグループのワン・ジングク会長の専属運転手として働き始めます。運命の悪戯か、ドランもまた秘書として同社に入社。やがてドランは会長の長男ワン・デリュクに見初められ、身分差の恋を実らせて結婚へと至ります。実の父であるスイルは、娘の幸せを壊さぬよう名乗り出ることもなく、静かに影から彼女を見守り続けるのです。
しかし、たった一人の私の味方 キャスト 相関図を俯瞰すると、この結婚が破滅への序曲であったことが浮き彫りになります。デリュクの弟イリュクの妻チャン・ダヤは、幼少期に実父を強盗殺人で奪われており、犯人に対して底知れぬ憎悪を抱いていました。その殺害犯こそが、かつてのスイル(ヨンフン)だとされていたのです。父と娘、加害者とされる男と被害者の遺族がひとつの屋根の下に集うという、逃れられないサスペンスフルな人間関係が展開していきます。
キャスト陣の圧倒的な演技合戦も見逃せません。「視聴率不敗神話」を誇る国民的名優チェ・スジョンが、罪の意識に苛まれながらも娘への無償の愛を注ぐ父スイルを圧倒的な説得力で体現。ヒロインのドラン役には、ユイ 元AFTERSCHOOLが抜擢され、理不尽な境遇に涙を流しながらも凛として前を向く姿を体当たりで熱演し、KBS演技大賞で優秀演技賞を受賞しました。さらに、純真さと頼もしさを兼ね備えた御曹司デリュク役をイ・ジャンウが好演したほか、心優しい歯科医チャン・ゴレ役として、後に『ザ・グローリー』や『涙の女王』で世界的な脚光を浴びることになるパク・ソンフンが瑞々しい存在感を示しています。