開館から四半世紀以上が経過し、無言館は今、施設の老朽化や運営体制の持続可能性という大きな課題に直面しています。入場料収入と窪島氏の個人資産を中心に運営されてきた私設美術館であるため、空調設備の更新、収蔵庫の温湿度管理、油彩画の劣化防止といった専門的な保存修復には莫大な資金を要します。
この危機に対し、近年実施されたクラウドファンディングや支援基金の設立には、全国から目標額を大幅に超える寄付が寄せられました。「無言館の灯を絶対に消してはならない」「戦没画学生たちの遺志を次の世代へ引き継ぎたい」という一般市民からの支援の輪は、日本各地だけでなく海外へも広がりを見せています。
2026年現在も、公式ホームページ等を通じて「無言館・維持保存協力寄付」の受付が継続して行われています。民間有志の手によって生まれた美術館だからこそ、それを支えるのもまた、絵画から受け取ったメッセージを未来へ手渡そうとする一人ひとりの意志に委ねられています。