粉砕骨折の治療において、患者が最も直面する現実が「治癒までの長さ」です。骨折部位(大腿骨、脛骨、鎖骨、橈骨など)や年齢、全身状態によって差はあるものの、大まかな時間軸が存在します。
まず入院期間の目安は、上肢(腕・手首)で約1〜2週間、下肢(太もも・すね・足首)で約3週間〜2ヶ月に及びます。下肢の場合は免荷(体重をかけない)期間が長く、自力での歩行や階段昇降ができるレベルに達するまで退院できないケースが多いためです。
骨が生物学的にくっつく骨癒合期間は、およそ3ヶ月〜6ヶ月を要します。通常の骨折に比べて血流が途絶えた遊離骨片が多いため、骨新生には倍以上の時間がかかります。さらに、骨がくっついた後に筋力や関節の柔軟性を取り戻し、以前と同じ日常生活や仕事に完全復帰するまでの「全治期間」で見ると、実質的に6ヶ月〜1年以上のスパンを見据える必要があります。