嘉納治五郎の名言「精力善用」「自他共栄」の真意と人生を拓く極意

嘉納治五郎の名言「精力善用」「自他共栄」の真意と人生を拓く極意

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柔道の根本原理として掲げられた「精力善用(せいりょくぜんよう)」と「自他共栄(じたきょうえい)」。このふたつの言葉は、嘉納治五郎の思想の骨格を成す中核理念です。

まず「精力善用」の意味は、「心身の持つエネルギー(精力)を、最も有効かつ善い目的のために使うこと」を指します。嘉納はこれを英語で「Maximum Efficiency」(最小の力で最大の効果を得る、あるいは最善のエネルギー活用)と表現しました。相手の力を力でねじ伏せるのではなく、相手の勢いを利用して崩すという柔道の技法にとどまらず、「人間が持つあらゆる知力・体力を、無駄な争いや私利私欲ではなく、世のため人のために集中して発揮せよ」という行動指針です。

そして、精力善用の先にある到達点として説かれたのが「自他共栄」(英語訳:Mutual Welfare and Benefit)です。嘉納は「自分だけが勝つ、自国だけが栄える」という独善を厳しく戒めました。「互いに助け合い、認め合い、共に栄えていくことこそが人類の歩むべき道である」という主張は、他者を打ち負かす対象ではなく「互いを高め合う稽古相手」と捉える柔道修行の真髄から生まれています。

個人主義と分断が深まる状況下で、私たちが直面する人間関係や組織の摩擦を解消する鍵は、まさにこの「己の力を善のために使い、他者と共に発展する」という嘉納の視座に他なりません。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。