高精度な測定器であっても、計測手順を誤ると信頼できるデータは得られません。日本原子力研究開発機構(JAEA)や環境省のガイドラインに基づいた、空間線量率の正しい測定手順を解説します。
① 測定の高さ(床上・地表1メートル)を統一する
大人の生活圏における空間線量は「地表から1m」、子どもの生活圏や地表面の状況を確認する場合は「地表から50cm」または「1cm」など、高さを明確に決めて固定します。手で持ったまま上下に揺らすと数値が安定しません。
② 時定数(タイムスタンプ)を待つ
放射線はランダムに飛来します。電源を入れてから内部の移動平均処理が安定するまで、最低でも30秒〜2分程度静止して待つ必要があります。画面の数値が急に上がった瞬間に判断せず、安定後の数値を読み取ります。
③ 5回測定して平均値を算出する
より正確な値を求める場合、30秒〜1分間隔で連続して5回数値を記録し、その算術平均をその場所の線量率とします。
④ 遮蔽物の影響を考慮する
測定者の体自体が放射線を遮蔽する「自己遮蔽」が起きないよう、検出部を体から少し離して構えます。また、雨天時は大気中のラドン子孫核種が雨とともに地表へ落ちて一時的に線量率が上昇する「レインスパイク現象」がある点にも留意してください。
⑤ 機器の汚染防止
土壌や物質の表面測定を行う際は、検出器に放射性物質が付着して故障・誤カウントを起こさないよう、薄いポリ袋などで本体を包んで測定するのが現場の基本作法です。