赤い服を着た白ヒゲの老人は、最初から今の姿だったわけではない。その歴史的ルーツを辿ると、4世紀の小アジア(現在のトルコ)に実在した慈愛深き司教、聖ニコラウスに行き着く。貧しい家に密かに金貨を投げ入れ、身売りされそうになった娘たちを救ったという伝承こそが、サンタクロースの無償の愛の原点である。
その後、19世紀のアメリカで詩人クレメント・クラーク・ムーアが発表した詩『聖ニコラスの訪問』によって、空飛ぶトナカイと煙突から舞い降りるイメージが決定づけられた。歴史の折り目で様々な人々の思いが重なり合い、何世紀もの時を経て形作られたアイコン――それこそが私たちが知るサンタクロースの正体なのだ。