近年の臨床研究は、果糖の無秩序な摂取がもたらす身体への代償を次々と露わにしている。肝臓に一気に流れ込んだ大量の果糖は、エネルギーとして蓄えきれず、瞬時に中性脂肪(VLDL)へと再合成される。お酒をまったく飲まない人でも肝臓に脂肪が溜まる「非アルコール性脂肪肝(NAFLD / MASLD)」の発症率が急増している背景には、こうした液状の糖類の日常的な摂取がある。
予防医学・栄養学の観点からも、液体状で摂る糖質のリスクには強い警戒感が示されている。固形物と異なり、咀嚼を伴わない液体は胃の滞留時間が極めて短い。それが急激な血中脂質の上昇や内臓脂肪の蓄積を引き起こし、全身の慢性炎症やインスリン抵抗性を悪化させていく。
世界保健機関(WHO)はガイドラインにおいて、肥満や虫歯のリスクを減らすため、1日当たりの遊離糖類(加糖飲料や加工食品に添加される糖質)の摂取量を総エネルギー摂取量の5%未満(成人で約25g相当)に抑えるよう強く推奨している。しかし、一般的な500mlの清涼飲料水1本には約40〜50gもの液糖が含まれていることがざらにあり、飲むだけで推奨値を遥かにオーバーしてしまうのが現実だ。