激しい落下衝撃と散乱した破片の回収作業は難航を極めた。初期の段階では、テロリストによる爆弾テロや軍用機との接触事故といった様々な説が飛び交っていた。しかし、事故現場から回収された機体底部の外板を詳細に分析した結果、調査チームは極めて異常な状態を発見する。客室床下の胴体下部構造が、内部から激しく腐食していたのだ。
事故調査を主導した台湾民用航空局の報告によると、この機体は過去に海水蒸気や生鮮食品、塩分を含んだ貨物を頻繁に輸送していた歴史があった。長年にわたり床下に蓄積した塩分と湿気がアルミ合金の胴体外板を内側から蝕み、目視では確認困難なミクロの亀裂を生じさせていた。限界を迎えた構造体は、与圧による膨張と収縮の繰り返しによって金属疲労を起こし、ついに飛行中の圧力に耐えきれなくなった。遠東航空103便墜落事故の直接的要因は、外部の攻撃ではなく、日常的なメンテナンスの死角で進行していた静かな爆破装置とも言える「機体腐食」だったのだ。