一方、東出昌大が選んだのは、文明の利便性から一線を画す山中での自給自足生活だった。自ら猟銃を手に山に入り、獲物を捌き、薪を割る。世間からの猛烈なバッシングの渦中、彼が身を置いたのは人間の思惑が一切通用しない自然の過酷さと静寂の世界だった。
一時は役者生命の危機とまで叫ばれたが、皮肉にもその浮世離れした経験と研ぎ澄まされた野性が、彼にしか出せない唯一無二の存在感を醸し出すこととなる。実話をもとにプログラマーの苦闘を描いた主演映画『Winny』で見せた鬼気迫る演技は批評家から高い評価を受け、作品賞や主演男優賞を多数獲得。スキャンダルの負のイメージを役者としての圧倒的な説得力で塗り替えてみせた。