労働経済学の観点から見ても、この動向は非常に深刻だ。従来の経済モデルでは、景気や雇用の拡大が若年層の消費意欲を刺激するとされてきた。しかし現在のZ世代は、住宅ローンという途方策のない負債を背負うリスクを冒すより、日々の自由な時間と心理的安寧を優先する傾向が著しい。
「家を買わない、車を買わない、結婚しない、子供を作らない、消費を切り詰める」。躺平主義が掲げるこのシンプルな教条は、持続的な経済成長を前提とした社会システムに対する強烈なアンチテーゼとして機能している。物欲を捨てることで、資本主義のゲームそのものから脱出を図ろうという試みなのだ。