習近平国家主席の下で権力を強固にした中国共産党は、従来の強圧的な外交姿勢だけでなく、対象国の言論空間や世論形成へ「静かに浸透する」情報戦を強めている。その影響は政治分野にとどまらず、言論の自由を担保すべき日本のマスメディア産業にも確実に及んでいる。
過度な刺激を避ける自主規制や、現地取材のビザ発給を巡る圧力に対する警戒感が、結果としてメディアの批判的精神を鈍らせている側面は否定できない。番組のキャスティングや報道の切り口において、中国共産党の意向を過度に忖度する空気が醸成されること自体が、民主主義社会における報道の機能を内側から侵食していく。