エイプのディスク化・キャスト化において、長年定番とされてきたのがNSR50ホイール互換性を活かした足回り移植です。レース界隈でタマ数が豊富だったNSR50/80(前期3本スポーク・後期6本スポーク)のホイールは、軽量かつ高剛性な12インチホイールとして絶大な人気を誇ります。
しかし、ネット上の「NSR流用でディスク化」という言葉を鵜呑みにしてホイール単体を購入しても、エイプ50へポン付けすることは絶対に不可能です。流用時には以下のような構造的ハードルが立ち塞がります。
フロント側は、エイプのドラム用フロントフォークピッチ(芯々約140mm)に対して、NSR50のステム・フォークピッチが異なるため、キャリパーやローターが干渉します。ディスク化を果たすには、NSR50/80やNSF100のフロントフォーク・ステム一式をステムシャフト打ち換えで組むか、社外のワイドピッチステムキットを導入しなければなりません。
リア側も同様に、NSRホイールをエイプ純正スイングアームへ収めるには、左右のホイールカラーのワンオフ製作や、スプロケット座面のオフセット調整、トルクロッド受けの加工が不可欠です。近年はXR50モタードホイール流用を狙うケースも増えていますが、XRモタード純正ホイールもディスク専用ハブのため、ドラムブレーキのエイプ50にボルトオン装着はできません。XRモタードのスイングアームやブレーキ周りを丸ごと移植する手法が現実的な選択肢となります。