二日酔い防止を目的とした漢方選びにおいて、最も重要なのは「お酒を飲んだときに自分の体に何が起きているか」を見極めることです。漢方医学では、二日酔いの主原因を体内に余分な水分が滞る「水滞(すいたい)」と、アルコールによって過剰な熱がこもる「湿熱(しつねつ)」の2つに大別します。
お酒を飲むとすぐに顔が真っ赤になる方や、動悸・ほてりを感じやすいタイプには黄連解毒湯が適しています。4種類の生薬(黄連・黄柏・黄ごん・山梔子)が体内の熱を強力に冷まし、胃粘膜の充血やアセトアルデヒドによる炎症を鎮める働きを持ちます。
一方で、翌朝に頭痛や顔のむくみ、喉の渇きが出やすいタイプには五苓散が一択です。五苓散は「利水剤」と呼ばれ、過剰な水分を尿として排出しつつ、細胞内の脱水状態を是正する優れた水分調整機能を備えています。水分バランスの崩れを素早くリセットするため、酒豪と呼ばれる愛飲家たちが常にポーチへ忍ばせているのもこの処方です。