犬との共同生活において、日常の幸福度を左右するのは見た目以上に「気質と人間の生活リズムの相性」です。知能の高さと感受性の鋭さを持つトイプードルと、天真爛漫で自己肯定感の塊のようなビションフリーゼでは、飼い主とのコミュニケーション様式が根本から異なります。
トイプードルの飼いやすさ(初心者目線)を語る上で欠かせないのが、全犬種中第2位とも評される圧倒的な知能の高さです。指示の呑み込みが極めて早く、トイレトレーニングや基本コマンドは数日で習得するケースが少なくありません。人の表情や声のトーンを敏感に察知し、飼い主が何を望んでいるかを常に先回りして考えます。しかし、この「賢さ」は諸刃の剣でもあります。飼い主の甘さを見抜いて要求吠えをエスカレートさせたり、退屈や留守番のストレスから分離不安を発症したりしやすいという繊細さを内包しています。
対するビションフリーゼの性格と飼いやすさは、まさに「動く抗うつ薬」と称されるほどの底抜けの明るさに集約されます。見知らぬ人や他の犬に対しても物怖じせず、友好的に接する社交性を備えています。突如として部屋中を猛スピードで駆け回る「ビション・ブリッツ(Bichon Blitz)」と呼ばれる発作的なハイテンション行動を見せるなど、コミカルで天真爛漫な性質が家族を笑顔にします。一方で、知能が高いトイプードルと比べると、マイペースで頑固な一面があり、トイレの完全習得には根気強い反復トレーニングを要する傾向があります。