カメラの前に立つだけで場の空気を支配する。スクリーンの端に映るだけで作品の質感を一段深く沈め込ませる。そんな稀有な存在感こそが、彼が引っ張りだこである最大の理由だ。洗練された現代の若手俳優には出せない、擦り切れた日常の生活臭と哀愁。重厚なヒューマンドラマにおいて、彼の佇まいは言葉以上のストーリーを語り出す。
「本物の人生を生きてきた男にしか出せない空気がある」と現場のスタッフは口を揃える。不条理な出来事に翻弄される小市民の滑稽さや、張り詰めた緊張感が漂うサスペンス作品での狂気。幅広い役柄を泥臭く演じ分ける表現力が、長年の映画ファンすらも唸らせているのだ。