一方で、睡眠医学や脳科学の専門家たちの多くは、堀氏の主張に対して慎重な姿勢を崩していない。医学界において「ショートスリーパー」と呼ばれる人々は実在するが、それは主に特定遺伝子の変異によるものであり、人口のわずか1%未満に限られる稀有な体質だとされているからだ。
多くの睡眠専門医は、「訓練によって誰でも短時間睡眠になれる」という主張に対し、不可逆的な脳機能へのダメージや潜在的な健康リスクを懸念する。「本人は元気に感じていても、客観的な認知テストや反応速度の測定を行うと、重度の睡眠負債を抱えた状態と同等の低下が見られるケースが多い」との指摘も根強い。堀氏の肉体が特異な遺伝的恩恵を受けているのか、あるいは本当に「訓練の成果」なのか、科学的な検証の決着はまだついていない。