地震対策を語る上で欠かせないのが「耐震」「制震」「免震」という3つのアプローチです。これらは漢字一文字の違いに過ぎないように見えますが、物理的なアプローチと室内の安全性はまったく異なります。
まず「耐震」は、柱や梁を太くし、筋交いや構造用合板で壁を強化することで、地震の破壊エネルギーを「力づくで受け止める」工法です。建築基準法が定める最低限のラインであり、日本の大半の戸建て住宅や中低層マンションに採用されています。ただし、地面の揺れがそのままダイレクトに建物へ伝わるため、上階に行けば行くほど揺れが増幅する特徴を持ちます。
次に「制震」は、建物の骨組みの中にオイルダンパーやゴムダンパー、鋼板などの「減衰装置ダンパー」を配置し、建物の変形エネルギーを熱エネルギーなどに変換して吸収する仕組みです。耐震に比べて建物の揺れ幅を20〜30%程度抑えられ、繰り返しの余震に強さを発揮するため、超高層ビルや大手ハウスメーカーの標準・オプション仕様として普及が進んでいます。
そして「免震」は、基礎と建物の間に「減衰装置ダンパーと積層ゴム」からなる免震層を介在させ、地面と建物を物理的に切り離す(絶縁する)構造です。地震波の激しい往復運動を積層ゴムが吸収し、建物にはゆっくりとした周期の揺れしか伝わりません。揺れの強さそのものを3分の1から5分の1にまで激減させる、現時点で最も防御力の高い工法といえます。