国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」や厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を読み解くと、日本の労働市場における賃金の伸び悩みと性別間格差の縮図が浮かび上がる。女性全体の平均年収は依然として男性を大きく下回っており、年収300万円台前半は決して珍しい数字ではない。
しかし、同年代の平均値と現場の実感との間には無視できない乖離が存在する。一部の高収入層が全体平均を引き上げているため、実態に近い中央値で見ると、多くの女性が年収300万円前後の水準にとどまっているのが現実だ。正社員としてフルタイムで働きながらも基本給が上がりにくい職種や、昇進機会の乏しさが、この年収帯に留まり続ける構造的な要因となっている。