映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が今なお多くの鑑賞者の涙を誘う最大の理由は、物語の幕引きとなる葬儀会場での劇的なクライマックスにあります。末期がんで余命宣告を受けていたグループのリーダー・芹香(板谷由夏)は、かつての仲間たち全員と再会を果たす前に息を引き取ってしまいます。一見すると悲劇的な別れに思えますが、真の感動はその後に明かされる「芹香の遺言」から始まります。
弁護士によって読み上げられた遺言書には、大人になり生活苦や家庭の不和、孤独を抱えていたメンバー一人ひとりへの深い思いやりと具体的な救済措置が記されていました。それぞれの苦境を救う遺産相続の手続きとともに、芹香が遺したのは「仲間たちにもう一度笑って自分の人生を生きてほしい」という強烈な願いでした。
厳粛な葬儀の場で、メンバーたちは芹香の遺影を前に、高校時代に練習を重ねた小沢健二の楽曲「強い気持ち・強い愛」のダンスを踊り始めます。悲しみを吹き飛ばすように笑顔でステップを踏む彼女たちの前に、高校時代の悲惨な事件以来行方不明となっていた美少女・奈々(池田エライザ/大人時代)が姿を現します。傷を乗り越え、ついに「SUNNY」のピースがすべて揃うラストカットは、過去へのノスタルジーにとどまらず、大人になった彼女たちが再び前を向いて歩き出すための力強い人生の再出発を描き切っています。