飲食店や水産加工のプロが大量の素材を素早く仕込む際に発展したのが、プリプリ食感を残す流水解凍の経緯です。ここで決定的に重要なのは「直接シーフードに水道水を当ててはならない」という鉄則です。水道水を直接浴びせ続けると、水圧で繊細なえびの筋繊維が崩れ、水溶性の旨味が完全に抜け落ちてしまいます。必ずジッパー付き密閉保存袋に入れ、空気を抜いてからボウルに張り巡らせた細い流水に当てることが、水っぽさを防ぐ絶対条件です。
また、昨今の食卓防衛策として人気を集める業務スーパー冷凍シーフード活用法においても、この解凍知識がコストパフォーマンスを最大限に引き上げます。業務スーパー等で手に入る大容量パック(500g〜1kg単位)は、100gあたりの単価が極めて安い反面、表面に付着したグレーズ(氷)の層が厚めに作られている傾向があります。
大袋から使う分だけを取り出し、大きめのボウルで3%塩水に15〜20分ほど浸します。半解凍(中心にわずかに芯が残る程度)で引き上げ、清潔なキッチンペーパーで表面の水分を完全に吸い取ることが最大の秘訣です。この工程を経るだけで、大容量のリーズナブルな冷凍食材が、まるでデパ地下の鮮魚コーナーで購入した高級魚介のようなリッチな食感と深いコクへと昇華します。