なぜデジタル時代においても、これほどまでに和暦の計算が必要とされるのだろうか。その根底には日本独自の法的枠組みが存在する。
日本では1979年に制定された「元号法」に基づき、皇位継承に伴う改元が規定されている。2019年の今上天皇ご即位に伴い「令和」へと時代が移行した際も、内閣府を中心とした政府機関は公文書における元号表記の継続を確認した。税金、住民票、福祉関連などの行政サービスにおいて和暦が標準フォーマットとして利用され続けているのは、こうした背景があるからだ。
社会のデジタル化が進んでも、官公庁のデータベースや提出書類には元号入力枠が根深く残っている。制度そのものが大きく変わらない限り、わたしたちは西暦と和暦の双方を自在に行き来するスキルを保持しておく必要がある。